水族館の人気者「クラゲ」の生態大解剖!知ってると見方が変わる豆知識も!

水族館の人気者「クラゲ」の生態大解剖!知ってると見方が変わる豆知識も!

クラゲの生態

クラゲとはなんぞや

Photo by Azao Mart

みなさんは「クラゲ」と聞いてどんな姿を想像しますか?

水族館ではおなじみのクラゲですがその姿は非常に幅広いですよね。では何がクラゲを「クラゲ」たらしめているのでしょうか?

クラゲについてウィキペディアではこう解説されています。

クラゲは、通常は浮遊生活をする刺胞動物である。体はゼラチン質で柔らかく、透明。体全体は、多くのものでは傘のような形をしている。多くの場合、傘の下面の中心部に口がある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/クラゲ

クラゲは基本的には水中を浮遊しています。自力で遊泳することもできますが,常に動き続けていることはできないそうです。そのため水槽などでも,水が循環していないと底に沈んで死んでしまうのです。

こうしたことから,クラゲはなんと,,,

プランクトン

に分類されるんです!驚きですよね!

クラゲって何を食べるの?

クラゲには大きく分けて「肉食性」のクラゲと「草食性」のクラゲがいます。

草食性の場合

クラゲはプランクトンだという話をしましたが,クラゲも植物プランクトンをメインに捕食しているようです。

海の中は草食性クラゲにとって餌だらけ!ふわふわ浮きながら気ままに食事をしています。

水族館などで飼育されているものは1日3~4回ほどにわけてプランクトンを水槽に入れていました。

肉食性の場合

「カツオノエボシ」というクラゲをご存じでしょうか?

毒性が高く刺されると電気が走ったような痛みを伴うことで知られる恐ろしいクラゲです。

このような毒は体の下に伸びる長い触手に含まれていることが多いです。カツオノエボシの場合,この触手に小魚が触れると毒が発射されて麻痺し,触手で口元まで運んでいくのです。

肉食性のクラゲの中では他のクラゲを捕食する種類もいます。

謎だらけのクラゲの一生

クラゲの一生というものを紹介します。

一部例外はいますが,一般的にクラゲは「卵→プラヌラ→ポリプ→ストロビラ→エフィラ→成体」と姿かたちを変えながら成長していきます。

クラゲはすべて同じように見えますが,実は雌雄異体。オスとメスが存在しています。

クラゲは有性生殖によって受精卵を作ります。これが孵ると「プラヌラ」として岩などに定着します。ここで姿を変えて「ポリプ」として長い期間を過ごすのです。

さらにここからポリプは無性生殖(細胞分裂のようなイメージ)によってお椀を重ねたような構造「ストロビラ」へと成長します。

このお椀一つ一つがのちにクラゲになるのですが,岩を離れたお椀を「エフィラ」と呼びます。(一部ポリプを経由しない種もいます。)

エフィラが成長することでクラゲとなり,その寿命は長いもので約8か月,短いものだと数時間しか生きられない種もいるんです。(寿命はおおまかに大きさに比例するといわれています。)

不老不死のクラゲがいるの?!

「クラゲは不老不死」という話を聞いたことがあるでしょうか?これは「ベニクラゲ」という種類で確認されたものなのですが,実は考えようによっては正しいのです!

ベニクラゲは成体になった後ポリプに戻る能力があるのです。この能力によって老化に伴う死亡を回避しています。

従って成熟した後からでもポリプに戻りもう一度成熟するということが可能なため,個体としての寿命は不明です。記録では10回やり直すことに成功したという例もあります。

もちろん捕食によって死を迎える危険性は常にありますが,不老不死のクラゲにはロマンを感じますよね♪

クラゲと人間の関わり

歴史上の「海月」

すみだ水族館 Photo by Azao Mart

クラゲに関する記述は日本書紀までさかのぼるそうです。実際に古来から食卓に上がることも多く,クラゲを塩漬けにする「クラゲ桶」というものが存在していたようです。

非常に珍しい様,ありえないものの例えとして「クラゲの骨」という表現があります。クラゲに骨はありませんからね♪

平安時代の枕草子の一説にも,クラゲの骨という描写があり,当時から一般的な存在だったことがうかがえますね。

クラゲっておいしいの?

クラゲはたくさんの種類が存在していますが,食用になるのはごく一部です。

中華料理ではエチゼンクラゲやヒゼンクラゲを干したり塩漬けにしたりして,酢の物を作ったりしています。

また山形県の「加茂水族館」ではレストランでクラゲが入ったラーメンというもの販売していますよ。身はこりこりっとしていて味は特にありませんでした笑

他にも珍しいクラゲのお刺身が高値で取引されていたりするそうですよ。

クラゲ大量発生の影響

一時期エチゼンクラゲの大量発生が問題になっていました。最近ではあまり耳にしなくなりましたが,依然として被害は続いています。

漁の網をダメにしてしまったり,魚を傷めてしまったりという被害が出ました。

さらに大きいもので2メートル近くにもなるエチゼンクラゲは水を含むと非常に重くなります。エチゼンクラゲの重さで船が転覆してしまったこともあるそうです。

この大量発生は,工業排水などによりプランクトンが増えたことによるとされています。人間の活動によりこのような結果になってしまったのです。

今後はクラゲたちと共生できる社会の在り方を考えていく必要がありますね。

クラゲ豆知識

ミズクラゲの模様について

ミズクラゲは水族館に行けば必ずといっていいほどよく見かける種類です。クラゲと聞いてこれを思い浮かべる人も多いでしょう。

ミズクラゲ Photo by Azao Mart

ミズクラゲには模様があります。この模様の正体は生殖腺です。通常は花びらのような形が4つあります。ちょうどアジサイの花のようなイメージです。

実はこの花びらの数が異なる個体がまれにいます。筆者の体感的には20~30匹に1匹といったところでしょうか。水槽の中をよーく目を凝らしてみると数匹花びらの数が異なる個体がいるのです。

レア個体の中で最もよく見られるのは花びらが6個の個体です。

ちなみに私は水族館を訪れると必ず確認するのですが,今までに「3個」「5個」「6個」「8個」は見たことがあります。奇数はかなりレアな気がしますね笑

8つの生殖腺を持つミズクラゲ(アクアパーク品川)Photo by Azao Mart

日本で一番最初にミズクラゲの飼育方法を確立した新江ノ島水族館の飼育員の方のブログによると,「1個」から「10個」まで見かけたことがあるそうです!是非探してみてください!

クラゲからノーベル賞誕生!?

2008年に下村修先生がノーベル化学賞を受賞されていますが,その発見が実はクラゲ由来のたんぱく質だったのです。

「オワンクラゲ」という種類のクラゲは体の端を緑色に発光することができます。

これはGFP(Green Fluorescent Protein)という緑色発光タンパク質による効果です。このたんぱく質の発見によって医学界は大きな進展をしました。

私は理系だったので実際にこのGFPを大腸菌などに形質導入する実験も行いました。他にも目的タンパク質に連結させることで,どこにそのタンパク質が移動したかを可視化できる技術に使われています。

いまや医学界では大活躍のたんぱく質をクラゲが持っていたんですね!オワンクラゲと下村先生には脱帽です!

クラゲが有名な水族館

鶴岡市加茂水族館

山形県にある加茂水族館はまさにクラゲ展示の王様といえるでしょう。

その飼育種類ではギネス記録を持っています。なかでも見どころなのは直径5メートルもある円型水槽「クラゲドリームシアター」です。

クラゲドリームシアター Photo by Azao Mart

身長の3倍近くある水槽をゆったりとミズクラゲが循環しています。ライトアップによってとてもおしゃれな造りになっています!

実は加茂水族館は一度お客さんの減少に伴って閉館の危機に立たされていました。そんなさなか,水槽のろ過装置に偶然クラゲを発見したそうです。

そこからクラゲの展示を始めると世界中から注目を浴びるようになり見る見るうちにお客さんも戻ってきたんです!まさにクラゲに救われた水族館だからこそクラゲをとても大事にしています♪

すみだ水族館

東京のスカイツリータウンに併設されている水族館です。2020年春にリニューアルオープンして新たに巨大クラゲ水槽が登場します。

リニューアル情報はこちらで特集しています!

新設されるのはなんと長径7メートルに及ぶ開放型のクラゲ水槽!上から見下ろせる通路も新設されるみたいですよ!

他にも従来の展示の一つに「クラゲ万華鏡トンネル」というフロアもあります。季節によって変わるプロジェクトマッピングとアロマの良い香りとのクラゲのコラボレーションを楽しむことができますよ!

新江ノ島水族館

球状の水槽で頂上部から水の流れるおしゃれなクラゲ水槽が見どころです。

新江ノ島水族館 Photo by Azao Mart

実際にこの水槽の前で記念撮影している方を多く見かけます。

また同じくクラゲエリアでは光と音で楽しむクラゲショーというものが開催されていて大変人気になっています。

このショーも季節によってテーマが変わるので,何度も訪れたくなりますね♪

新江ノ島水族館 Photo by Azao Mart

他にも様々な水族館でクラゲが展示されています。みなさんもお気に入りのクラゲを探してみてはいかがでしょうか?

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