【2021最新】日本で野生のラッコに出会える場所3選!国内の水族館では残り4館5頭のみに。

2021.5.4更新
かつては水族館でおなじみだったラッコ。しかし新たに輸入することの難しさとラッコの高齢化に伴い、いまや全国4館で5頭のみとなってしまいました。
野生のラッコは日本近海だと、千島列島や北方領土周辺に生息しています。
日本沿岸では20世紀初頭を最後に姿を消していましたが、1980年台から再び姿を現すようになっています。
おそらく千島列島周辺のラッコが回遊してきていると推測されていますが、ここ数年の観測では北海道沿岸に定着した個体もいるようです。
2021年5月現在で野生のラッコに会える可能性の高いスポットを3か所厳選しました!
道東観光の際にはぜひ参考にしてみてください♪
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執筆:あざらしくん 慶應義塾大学修士課程・薬学専攻・水族館愛好家 学業の傍ら海洋生物の生態を追い求め続けている。 |
日本でも野生のラッコが見られるって本当?!

日本で野生のラッコが生息しているという話は聞いたことのない人がほとんどだと思います。
実はこれは本当です!!!
北海道では近年野生のラッコの目撃が相次ぎ、繁殖が確認されている地域もあるんです!
とはいえ、ラッコが観測できるエリアや頭数はかなり限定的です。
野生のラッコが目撃されている場所をいくつかご紹介します!
野生ラッコスポット① 霧多布岬ー浜中町
北海道根室半島の中腹に位置する浜中町・霧多布岬。
2020年現在日本で最もラッコに会える確率の高いスポットになっています。
付近は荒々しい波が打ち寄せる断崖絶壁。ラッコにとってゆりかごとなる昆布もたくさん自生しています。
霧多布岬では繁殖も確認されています。子育てには格好の場所なのですね!
つい先日のダーウィンがきたでも紹介されていました!
NHKの人気番組「ダーウィンがきた」で霧多布岬のラッコが特集されていました!
番組ではA、Bと名付けられた2頭のメスのラッコの子育てが紹介されていました。
驚くことに、Aの赤ちゃんをBがおもりする様子もカメラにとらえられていましたね♪
最新の情報ではBも赤ちゃんを育てているようなので、霧多布岬周辺で10頭前後のラッコが暮らしていると推測されます。
【霧多布岬】
〒088-1522 北海道厚岸郡浜中町湯沸33番地
入場無料・年中無休
根室本線茶内駅より浜中町営バスで30~40分ほど
ドライブウェイ北太平洋シーサイドライン近く
野生ラッコスポット② 納沙布岬ー根室市

納沙布岬は有人日本最東端の地。肉眼でも北方領土が見えるため、非日常的な雰囲気を存分に味わえます。
根室沖は良い漁場でもあり、漁業が盛んな街です。特に最近では値段の高騰しているサンマが有名ですね♪
この海の恵みを求めてここ納沙布岬にもイルカ・クジラなどたくさんの生き物が集まってきます。
ラッコも例外ではありません。目撃頻度はそこまで多いわけではありませんが、定期的に野生のラッコが目撃されています。
【納沙布岬】
〒087-0165 北海道根室市納沙布
入場無料・年中無休
JR根室本線根室駅より路線バスで約30~40分
野生ラッコスポット③ モユルリ島・昆布盛
モユルリ島は霧多布岬と納沙布岬の中間地点くらいの場所にある無人島です。その対岸の本土側が昆布盛地区になります。
モユルリ島やその周辺のラッコの目撃情報は少ないですが、確実に付近に生息しているようです。モユルリ島では繁殖も確認されているそうです。
このあたりの記述について面白い記事がありました。是非参考にしてみてください!
残るは4館5頭のみに。日本でラッコに会える水族館。
かつては日本中の水族館に100頭近くいたラッコも残すところ4館6頭まで激減してしまいました。
2020年11月現在ラッコを飼育している水族館は以下の通りです。
水族館 | 所在地 | 頭数 |
アドベンチャーワールド | 和歌山 | 1頭 |
鳥羽水族館 | 三重 | 1頭 |
須磨海浜水族園 | 兵庫 | 2頭 |
マリンワールド海の中道 | 福岡 | 1頭 |
新潟県のマリンピア日本海、石川県ののとじま水族館で飼育されていた個体が亡くなってしまい東日本からラッコは姿を消しています。
国内ラッコに関する詳しい内容はこちらの記事で紹介しています!
【追記】マリンワールド海の中道で飼育されているラッコのうち1頭が冬頃亡くなりました。
比較的若い個体で、繁殖に期待がかかっていただけに残念です。
ご冥福お祈りいたします。
【追記】記事を読んでくださった方からマリンワールド海の中道で飼育されていた「マナ」に関して、「新しい命を宿していた中での病変で亡くなってしまった。」と情報をいただきました。当サイト管理者の勉強不足をお詫び申し上げるとともに、ラッコをはじめとする地球上で絶滅の危機に瀕している生き物たちにスポットライトを当てるべく今後も活動を進めていきたいと思います。「マナ」は生前たくさんの方々に慕われていました。その事実は今後も変わることはありません。(私も何度か実際にお会いして癒されていました。)改めてご冥福をお祈りいたします。
2021.11.12
ラッコブームに沸く道東。今後のラッコとの関わり方。
浜中町や根室市をはじめとする道東の中でも特に東の根室半島の自治体は、ラッコを見に来る人が増えることによる観光需要の増大に期待をしています。
実際、日本近海にラッコが戻ってくるようになってから、ラッコをPRに用いる機会が増えてきました。
ラッコは野生の生き物で、まだまだ個体数が少ないため必ず会える保証はありませんが、是非見に行ってほしいと思います。
一方で漁業被害が報告され始めているのも事実です。
ラッコは絶滅危惧種なのでむやみに捕まえることはできません。被害が出ても泣き寝入りするしかないのが現状です。
今後はラッコと上手に共生していける環境の整備が課題になってきます。ただかわいいというだけでなく、ラッコも我々人間も同じ生き物であるということを忘れてはいけませんね。
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